みなさんこんにちは、ひでえぬです。
最近、いろんなものが値上がりしていますね。
先日、お弁当の中に入れる食材を買おうとスーパーに行ったところ、「チーかま」が20円値上がりしていました。「ハンバーグ」も20円値上がりしていました。
今日は放送大学で今学期履修している「生活経済学(20)」で学習したことをもとに「あるものが値上がりした場合、どのような経済行動をとるか」ということについて考えてみたいと思います。
あるもの(Aとします)が値上がりしました。ですが、総消費支出額は変えたくありません。
このような場合、どのような方法が考えられるでしょうか。
- Aの購入量を少なくする。
- Aの購入量はそのままにして、他のものの購入量を少なくする。
- Aの購入をやめて、似たような機能を持つもの(Bとします)を購入する。
みなさんはどうしていますか。
そんなのは
ケースバイケースだよ
という方が多いかもしれません。
それは大まかに言えば正解です。
では、それぞれどういうことか詳しく見てみましょう。
1 Aの購入量を少なくする。
方法としてはこれがもっとも単純ですね。
Aの値段が2倍になったとき、購入量を半分にすれば、Aの購入総額は変わりません。
ですが、ものによってはけずれない、ということもあると思います。
例えばお米を食べて生活している人にとって、米は欠かすことができません。そのような財を「必要財」といいます。そうではないものを「奢侈財」といっています。奢侈財は、所得が増えると消費も増える傾向があります。一方、必要財は所得が増えてもそれほど消費は増えません。
たとえば、
映画館の料金が上がったので、月に2回観ていたのを1回に減らした。
というのはありだと思います。
「値上がり」というのを実質的な所得の減少ととらえれば、映画鑑賞は「奢侈財」ということになります。
ところが、
お米の値段が上がったので、1日3食を1食にした
というのは、生命維持の上では問題がありますよね。(パンとかパスタとか食えばいいじゃんという話は後ほどします)
このように、必要財の場合、所得が増えても増えませんが、逆に所得が減っても減らせないという性格があります。
そこで、必要財の場合はほかの方法を選択することになります。
2 Aの購入量はそのままにして、他のものの購入量を少なくする。
そこで考えられる方法がこちらです。
お米の購入量はそのままにして、映画館に行くのを月2回から1回に減らすような場合が当てはまります。
ですが、そもそも映画館にはいかないよ、とか、お米の値上げ幅が大きすぎてそれだけじゃあ追いつかない、という場合はどうしたらいいでしょうか。
3 Aの購入をやめて、似たような機能を持つもの(Bとします)を購入する。
そこで、この方法が出てきます。
お米の代わりにパンやパスタを買ってきて食べるというのがこれにあたります。この場合の米に対するパンやパスタのことを「代替財」といいます。代替財の場合、片方の値段が上昇すると、もう片方の需要が上昇します。米の値段が上昇すると、パンの需要が上昇するというわけです。


これに対し、片方の値段が上昇すると、もう片方の需要が減少するものを「補完材」といいます。米に対するふりかけとか、パンに対するジャムなどが例として挙げられます。


まとめ
ここまで書いたようなことは、「○○財」とか、難しい用語を使っていますが、毎日の経済活動の中である程度無意識にやっているものではないかと思います。その意味では、ある意味「当たり前」なことと思われるかもしれません。
実際そのとおりなのですが、ここでお伝えしたいのはこれらの判断を「意識して」行うことに意味があるということです。
例えば、米が値上がりして、米の購入量を変えずに、ほかの購入量を下げようとしたといます。
本文中の例では、単純に映画館に行く回数を減らすことで調整しましたが、実際の家計ではたくさんの支出項目があるため、そう簡単にはいかないと思います。
そうなると、一番多いパターンとしては、
米の購入量はそのままで、他のものの購入量も変わらない
ということになりがちです。
そうなると当然総消費支出額が増加することになりますが、無意識に何となく家計管理をしていると、そのことに気付かないまま、時間が過ぎていくということになります。
気が付いてみると、貯金がたまらない、毎月赤字になる・・・となってしまい、そこではじめて「さあどうしましょう」ということに。
今日見てきたように、どういう選択肢があって、財の種類によってうまく使い分けることで、より効果的な判断ができるのではないでしょうか。
まあ、今回みたいに「何もかも値上げ」ということになりますと、できることは1から3のうちの
2 Aの購入量はそのままにして、他のものの購入量を少なくする。
が中心となると思います。
その場合でも、ただ漠然と「節約しなきゃ」というだけだと、具体的に何をしてよいかわからず、結局何もしないということになりかねません。逆に必要なものを削ってしまい、生活がうまくいかなくなるかもしれません。
ここで「奢侈財」と「必要財」の区分を知っていれば、「○○は減らしてもいいかな」「××は減らせないな」というように、ある程度分けて考えることができ、判断の助けになります。
そうはいってもなにかと難しい今日この頃ですが、いろんな知識を味方につけて、乗り切りたいものです。
では、また。