めざせ行政書士&CFP(R)!放送大学生ひでえぬのブログ

CFP(R)からのFP1級を取得後、行政書士試験に挑戦中。ひでえぬのブログです。その時の勉強法などを載せてます。2021年4月から放送大学で心理学を勉強しています。

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FP試験対策#39-1 不動産の広告表示について その1(2022.9変更対応版)

みなさんこんにちは、ひでえぬです。

 

今回はFP試験対策ですが、久しぶりに不動産運用設計からお伝えします。

(2022.9.1 時点修正しました。)

 

CFP資格審査試験の問題では、下のような感じで、不動産の販売広告についての正誤問題が出ることがあります。

 

 

「不動産の表示に関する公正競争規約(以下、ここでは『規約』と表記します)」「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則(以下、ここでは『施行規則』と表記します)」というものがあります。

2022年9月1日から、改正された「規約」及び「施行規則」が施行されました。今回は、改正点も併せてお伝えします。以下「今回の改正」といったときは2022年9月1日からの改正を指すこととします。

 

目的については規約第1条に、

 

不動産の取引について行う表示に関する事項を定めることにより、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保することを目的とする。 

 

つまり、適正な表示を行うことにより消費者がきちんと選択でき、事業者同士が適正な競争ができるようにするということですね。

 

このような目的のため、細かい規定が設けられています。

 

では、見てみましょう。

 



 

 

 

 

ア 物件名に「ひでえぬ公園」と名乗るには?

 

架空の地名なのでちょっと伝わりにくいかもしれませんが、物件のある「ひでえぬ市」には「ひでえぬ公園」という非常に有名な公園があって、「ひでえぬ公園」とつくかどうかで土地の値段が変わるくらいブランドとしての訴求力が高いと思ってください。

 

では、物件の名前に好きなときに「ひでえぬ公園」と入れていいのでしょうか。

 

これについては、規約の第19条第1項第3号に規定されています。

19条を全部引用してみましょう。

 

(物件の名称の使用基準)

第19条 物件の名称として地名等を用いる場合において、当該物件が所在する市区町村内の町若しくは字の名称又は地理上の名称を用いる場合を除いては、次の各号に定めるところによるものとする。
(1) 当該物件の所在地において、慣例として用いられている地名又は歴史上の地名がある場合は、当該地名を用いることができる。
(2) 当該物件の最寄りの駅、停留場又は停留所の名称を用いることができる。
(3) 当該物件が公園、庭園、旧跡その他の施設又は海(海岸)、湖沼若しくは河川の岸若しくは堤防から直線距離で300メートル以内に所在している場合は、これらの名称を用いることができる。
(4) 当該物件から直線距離で50メートル以内に所在する街道その他の道路の名称(坂名を含む。)を用いることができる。

(引用文中、太字は改正点です。以下も同様とします。)

今回の場合は250mということなので、規定の範囲内ですね。これが500mとか1kmとか離れていると、規約違反ということになります。

ちなみに、第4項は今回の改正で緩和された点で、以前は「当該物件に面する街道その他道路の名称・・・」となっていました。

 

 

イ 最寄りの施設までの距離の表示の仕方

さっきの「ひでえぬ公園」もそうですが、最寄りの駅やスーパー、学校などの距離については、どのように表示したらよいのでしょうか。

 

施行規則第9条第1項第29号には、

 

 〔生活関連施設〕
(29) 前号の公共・公益施設以外の学校、病院、官公署、公園その他の公共・公益施設は、次に掲げるところにより表示すること。
現に利用できるものを表示すること。
イ 物件からの道路距離又は徒歩所要時間を明示すること。
ウ その施設の名称を表示すること。ただし、公立学校及び官公署の場合は、パンフレットを除き、省略することができる。

※太字部分は改正部分です。

 

つまり、「徒歩〇分」ではなく、「○○m」と表示することとなりますね。

つまり、「○○m」の他に、「徒歩〇分」と表示することも可能となりました。

 

 

アに関しては、スーパーなどについては一部例外があります。

施行規則第9条第1項第31号には、

 

(31) デパート、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、商店等の商業施設は、現に利用できるものを物件からの道路距離又は徒歩所要時間を明示して表示すること。ただし、工事中である等の施設が将来確実に利用できると認められるものにあっては、その整備予定時期を明示して表示することができる。

 

これはCFP資格審査試験の過去問にあるので、要チェックです。なお、こちらについても、従来の道路距離のほか、徒歩所要時間の表示が可能となっています。

 

ウ 駅から「徒歩5分」って何メートル?

 

施行規則第9条第1項第3号によると、

(改正前)

〔交通の利便性〕
(3) 交通の利便については、次の基準により表示すること。
ア 公共交通機関を利用することが通例である場合には、次により表示すること。
(ア) 鉄道、都市モノレール又は路面電車(以下「鉄道等」という。)の最寄りの駅又は停留場(以下「最寄駅等」という。)の名称及び最寄駅等からの徒歩所要時間を明示して表示すること。

(改正後)

〔交通の利便性〕
(3) 交通の利便については、公共交通機関を利用することが通例である場合には、次の基準により表示すること。
ア 鉄道、都市モノレール又は路面電車(以下「鉄道等」という。)の最寄りの駅又は停留場(以下「最寄駅等」という。)の名称及び物件から最寄駅等までの徒歩所要時間を明示して表示すること。

 

つまり距離ではなく徒歩での所要時間を明示しなさいということですね。この条文については一部記載変更があり、大筋において趣旨は変わっていませんが、

単に「最寄駅等までの徒歩所要時間」というのが、

 

物件から最寄駅等までの徒歩所要時間

 

と「物件から」が追加されています。つまり、あくまで物件を起点とし、そこから最寄り駅等の所要時間を明示するようにということが強調されています。

 

で、その所要時間の算出方法ですが、実際にかかった時間ではなく、施行規則の第9条第1項第9号に書かれている通り、機械的に計算します。

 

(9) 徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。

 

「80メートル1分」っていうのは有名かと思いますが、CFP資格審査試験の問題で出るのは文字を大きくした部分です。「1分未満の端数は1分」というのは要するに「端数切り上げ」ということなので、「徒歩5分」というのは「徒歩4分超~徒歩5分」ということになり、距離で表すと「320メートル超400メートル以下」ということになります。

 

少しCFP資格審査試験の問題から離れますが、「駅から」の「駅」というのは、どこを起点とするのでしょうか。

 

これについては施行規則の第9条第1項第8号に書かれています。

(改正前)

施行規則9条第1項

(8) 団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)と駅その他の施設との間の距離又は所要時間は、それぞれの施設ごとにその施設から最も近い当該団地内の地点を起点又は着点として算出した数値を表示すること。(以下略)

(改正後)

(8) 団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)と駅その他の施設との間の道路距離又は所要時間は、取引する区画のうちそれぞれの施設ごとにその施設から最も近い区画(マンション及びアパートにあっては、その施設から最も近い建物の出入口)を起点として算出した数値とともに、その施設から最も遠い区画(マンション及びアパートにあっては、その施設から最も遠い建物の出入口)を起点として算出した数値も表示すること。

 

 

ということは、駅側の起点は、ホームでも改札口でもなく「駅の施設を出たところ」となります。

 

「駅の施設」が駅舎のことなのか、ロータリーなども含むのかは微妙なところですが、は改正点のリーフレットを見る限り「駅から徒歩5分」というのは、「電車を降りてから5分」でもなければ、「改札を出てから5分」でもなく、「駅舎を出てから徒歩5分」ということになります。

さらに、一番遠い区画まで徒歩10分かかるとすれば、それも併せて表記する必要があるということです。

(2022.9.4追記)

また、今回の改正で、起点は駅ではなく「物件」の方になりますので、

 

×駅から5分

○(物件から)駅まで5分

となります。

 



 

図で書くとこんなイメージです。( 不動産公正取引協議会連合会HP掲載のリーフレットをもとに作成)

この図の場合は、

駅まで徒歩5~10分

ということになりますね。

長くなってしまったので、今回はとりあえずここまでにします。

次回は、「建築中の物件の写真は?」がテーマです。

 

では、また。