みなさんこんにちは、ひでえぬです。
今回は、オプション取引の戦略についてお伝えします。
オプション取引の基本的な内容はこちらで以前紹介しました。
複数のオプションを組み合わせることによって、状況に応じてリスクヘッジすることができます。
今回は、CFP資格審査試験に出そうなところを中心に見てみたいと思います。
複数のオプションを組み合わせるときに、それぞれの損得を「合成」することがあります。
合成結果自体はグラフで見た方がわかりやすいのですが、「合成するとどうなるか」については、実際に数字を入れて計算したほうがわかりやすいと思うので、例を考えてみました。
今回は、8つのパターンを考えました。
パターン例
コール
買い
- 権利行使価格1,000円、プレミアム200円
- 権利行使価格1,200円、プレミアム100円
スマホだと字が小さくて見えないかも・・・。
着色してあるのはオプションの権利を放棄する場合です。
※コールの場合、権利行使価格が低い方が安く買えるため、オプション料を高く設定してあります。
※表の中に、コール買い(1,000円:200円)とありますが、これは「権利行使価格が1,000円で、プレミアムが200円」という意味です。
売り
- 権利行使価格1,000円、プレミアム200円
- 権利行使価格1,200円、プレミアム100円
着色してあるのはオプションの権利を放棄する場合です。
※コールの場合、権利行使価格が低い方が安く買えるため、プレミアムを高く設定してあります。
プット
買い
- 権利行使価格1,000円、プレミアム100円
- 権利行使価格1,200円、プレミアム200円
※プットの場合、権利行使価格が高い方が高く売れるため、プレミアムを高く設定してあります。
売り
- 権利行使価格1,000円、プレミアム100円
- 権利行使価格1,200円、プレミアム200円
※プットの場合、権利行使価格が高い方が高く売れるため、プレミアムを高く設定してあります。
1「買い」同士の組み合わせ:ロング・ストラングル
それでは、いくつか組み合わせを見てみましょう。
おもな組み合わせは以下のとおりです。
① a.コールの買い(低)+b.プットの買い(高)の場合
※これは、低い方の価格(今回の例の場合1,000円)でのコールの買いと、高い方の価格(今回の例の場合1,200円)でのプットの買いという意味です。
(以下同様に表記します)
a.コールの買い(低)
b.プットの買い(高)
これを合成すると、以下のようになります。
スマホだと上の表は見にくいかも・・・
これを、「ストラングルの買い」または「ロング・ストラングル」と言います。
「ロング」は、ここでは「買い」の意味です。
今回、オプションの組み合わせを8つご紹介しますが、それぞれこんな感じで名前がついています。
ちなみに、ストラングル(strangle)というのは「絞め殺す、窒息死させる、きつすぎる、握りつぶす、抑える」という意味だそうです。おっかないなあ。
ちょっとイメージしにくいですが、中央が狭くなっているところから「きつすぎる」=strangleってこじつけっぽいな。
それでは、グラフと表からこの組み合わせの特徴を見てみましょう。
- 最大損失は「プレミアム」です。(ここでは200円)
- 最大利益は理論上無限大です。
- 権利行使価格から離れるほど利益が出るので、現資産価格が値上がり、または値下がりするとき、つまりボラティリティ(値動き)が大きいとき、相場が荒れそうなときに効果を発揮します。
①’ a.コールの買い(高)+b.プットの買い(低)の場合
ちなみに、権利行使価格の組み合わせを変えて、コールの方の権利行使価格を高くしたらどうなるでしょうか。
結論から言うと、グラフの形はおなじになります。したがってこれも「ロング・ストラングル」となります。
a.コールの買い(高)
b.プットの買い(低)
両方を合成すると、やっぱり真ん中が低い谷型になります。
要するに、「買い」同士を組み合わせると、こういうグラフが出来上がります。
んじゃ、権利行使価格を両者おんなじにしたらどうなるでしょうか。
それはですね・・・。
と続けたいのですが、この先まだまだ長いので次回に続きます。