みなさんこんにちは、ひでえぬです。
今回は、オプションプレミアムについて考えたいと思います。
あれ?
オプションの話は前回で終わったんじゃなかったっけ??
と思った方もいらっしゃると思いますが・・・。
今回はオプションの細かい戦略の話じゃなくて、もうちょっと基本的な話です。
具体的には、
オプションに関する諸要素に変化があった時に、オプションプレミアムはどう変わるか?
といったことですね。これもCFP資格審査試験では、出題されます。
ここでは、以下の5つを取り上げます。
- 原資産価格が変わった時
- 権利行使価格が変わった時
- 利子率に変化があった時
- ボラティリティ(ばらつき)に変化があった時
- 権利行使までの残存期間に変化があった時
このうち、コールとプットで逆の動きをするものは、1,2,3です。一方、コールとプットで同じ動きをするものは、4と5です。
では、順番に見ていきましょう。
Ⅰ 違う(逆の)動きをするもの
1 原資産価格が変わった時
例えば、権利行使価格は1,000円で変わらないとして、原資産価格を変えてみましょう。
コールの場合、原資産価格が1,200円であれば、市場よりも200円安く買えますので、200円の儲けがあり、単純に考えれば200円の価値があると考えられます。
原資産価格が1,100円になると、儲けは100円になってしまいます。
よって、コールに関しては原資産価格が高いときほどプレミアムは高くなります。
つまり、安く買って高く売れてお得というわけです。
一方、プットの場合はどうでしょう。
権利行使価格は相変わらず1,000円と仮定して、原資産価格が800円だとすると、儲けは200円になります。
市場では800円の価値しかないものを、1,000円で買ってもらうことができるわけです。
原資産価格が900円になると、儲けはちょっと減って100円になりますね。
つまり、プットの場合は原資産価格が安いときの方が価値が高い=プレミアムが高いということになります。
要するに、市場よりも高く売れてが儲かるというわけです。
2 権利行使価格が変わった時
では、今度は原資産価格が1,000円で変わらないとして、権利行使価格を変えてみましょう。
コールの場合で考えてみます。
権利行使価格が800円だったとすると、市場よりも200円安く買える権利となります。これが900円だったとすると、100円だけ安くなると考えることができます。
つまり、コールの場合は権利行使価格が安い方が、プレミアムが高くなります。
プットの場合はどうでしょう。
権利行使価格が1,200円だったとすると、200円高く買ってもらえます。ところが、権利行使価格が1,100円ですと、100円しか儲かりません。
つまり、プットの場合は権利行使価格が高い方が、プレミアムが高くなります。
ここまでを表にまとめましょう。
3 利子率が変わった時
利子率(金利)が高くなるということは、未来の価格である「権利行使価格」が安くなる(=割り戻した現在価値が下がる)ことを意味します。
考えようによっては2のパターンの変形と言えます。
- コールの場合ですと、権利行使価格が安くなると、プレミアムが高くなりますので、利子率が上がった場合も同様となります。
- プットの場合は、権利行使価格が安くなりますと、プレミアムが安くなりますので、利子率が上がった場合も同様となります。
Ⅱ 同じ動きをするもの
4 ボラティリティが変わった時
ボラティリティというのは、値段のばらつき、つまり価格変動のことです。
これが大きくなりますと、価格変動により利益を得る期待感が高まりますので、プレミアムが高くなります。
これは、コール、プットとも同じ動きとなります。
5 残存期間が変わった時
残存期間を変えた場合も、コール、プットとも同じ動きとなります。
残存期間が長い方が、価格変動の余地が大きいと考えられるので、やはりプレミアムが高くなります。
では、ここでまとめて表にしてみましょう。
まとめ
オプションプレミアムの決定要因
- 原資産価格が高くなると、コールの場合高くなる。プットはその逆
- 権利行使価格が高くなると、コールの場合安くなる。プットはその逆
- 利子率が高くなると、コールの場合高くなる。プットはその逆
- ボラティリティや残存期間は大きく(長く)なると、コール、プットともに高くなる。
今回はここまでですが、実は本当にお伝えしたかったことは別にあります。
文字数の関係もあるので、次回お伝えします。