みなさんこんにちは、ひでえぬです。
年末調整の時期がやってきました。
・・・といっても、会社によっては11月からスタートするところの方が多いと思いますが、私の職場はどういうわけかなるべく10月中に手続きを終えなさいということになっていまして、私もつい先日書類を提出したところです。
総務・経理を担当しているので、手続きのしかたについても相談を受けることがあります。
今回相談を受けたのは、30代男性のAさんです。なんでも、家を建てるらしい。
ひでえぬ(以下「ひ」):今度引っ越すんだって?
Aさん(以下「A」):そうなんです。職場まで遠くて・・・。近くに土地を買ったからそこに家を建てようと思っています。
ひ:そうかあ。今の家はここから遠いからね。で、いつ引っ越すの?
A:それがまだ決まっていないんです。年内にはと思っているのですが、もしかする年明けになるかも・・・。
ひ:入居日が年内なら確定申告が必要だから年末調整は不要だよ。
A:そうなんですか?
住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)のいうのがあって、住宅を建てたり買ったりしたときに、ローンを組んで購入した場合、一定の要件を満たせば控除を受けることができます。
かなり細かい規定もあるのですべてはここでは触れませんが、制度利用の要件の中に
自ら居住すること
というのがあります。具体的には、
住宅ローン減税を受けられるのは「居住の用に供した場合」とされています。また、住宅の引渡し又は工事の完了から6ヶ月以内に、減税を受けようとする者が自ら居住する必要があり、居住の実態は住民票により確認することとなります。このため、別荘などのセカンドハウスや賃貸用の住宅は対象となりません。
(国土交通省「すまい給付金」HPより)
所得税は1月から12月の間の所得の状況に応じて課税されます。
したがって、住宅ローン控除の適用開始時期は、
- 年内(12月31日まで)に入居→令和3年(2021年)の所得から適用
- 年明け(1月1日以降)に入居→令和4年(2022年)の所得から適用
となります。
引き渡しの時期ではないので注意しましょう。
また、住宅ローン控除を受けるには、2年目以降は年末調整により適用を受けることが可能ですが、1年目に限っては確定申告をする必要があります。
つまり、
- 年内(12月31日まで)に入居→令和4年3月に確定申告=今回の年末調整は不要
- 年明け(1月1日以降)に入居→令和5年3月に確定申告=今回の年末調整は必要*1
となります。
なお、住宅ローン控除の制度はかなり複雑で、これだけでブログ10回分くらいになるので、詳細については国税庁や国土交通省のHPを参照してください。
概要
ローンの要件
(年末調整小ばなし)
これも職場であった話ですが、ある人が(かりにBさんとしましょう)「うちの奥さんの怒りを鎮めてください」と頼まれました。
話を聞いてみると、Bさんの奥さんは会社員で、現在育休中なのだそうです。
育休中で育児休業給付金をもらっているのですが・・・。
ひ: どうしたの?
B:うちの奥さんが、「どうして私には税金が帰ってこないんだ!」と怒ってるんです。
ひ:奥さん今育休中じゃなかったっけ?
B:はい、昨年子供が生まれたので、産休のあと12月から育休に入りました。
ひ:それじゃあ税金は帰ってこないよねえ。
B:どうしてですか?
ひ: だって奥さん、税金払っていないよね?
B:でも育児休業給付金はもらっています。
ひ: それ非課税だし。
B:あ、そっかあ。
この小ばなしの面白さがわからない方のために解説しますと、
Bさんの奥様は育休中なので、通常は健康保険から育児休業給付金をもらっているだけだと思われます。
ようするに1円も所得税を払っていないので、かえってくるお金もないわけです。
年末調整というのは、お給料からざっくり源泉徴収された所得税を、まとめてきちんと精算するためのもので、みんながみんな確定申告で税務署に行ったら税務署もみんなも大変になるので、給与所得者に限って便宜的に考え出した方法ですからね。
最初から所得税が0円なら、調整しようがしまいが、0円のままです。
Bさんは納得してくれたようですが、奥様は納得したのでしょうか。
お後がよろしいようで。
では、また。
*1:年末調整は義務ではないので、必要という表現は語弊がありますが、ここでは「やっておいた方がいい」という意味でお考え下さい。