みなさんこんにちは、ひでえぬです。
CFP資格審査試験の過去問で、投資信託の「騰落率」についてきかれる問題が時々出ます。一見簡単そうで難しいのですが、やり方がわかってしまうと意外と簡単だったりするので、そのあたりをお伝えしたいと思います。
(例題)
国内公募追加型投資信託HN(年2回決算)の基準価額および収益分配金が以下のとおり推移したとするとき、2021年3月から1年間の騰落率は何%か。なお、当落理知については収益分配金を非課税で再投資したと仮定して算出し、計算過程は小数点以下第5位を四捨五入、基準価額については円未満四捨五入とし、回答は表示単位(%)の小数点以下第3位を四捨五入すること。
2021年3月
基準価額(1万口当たり) 10,500円
2021年9月
収益分配金 400円
収益分配金落ち後の基準価額 11、200円
2022年3月
収益分配金 300円
収益分配金落ち後の基準価額 10,700円
(解説)
まず、基準価額がどのように変動するか、図に書いてみましょう。
このようになります。
- ①の線は、2021年3月から6か月間でどれくらい基準価額が増減したか
- ②の線は、2021年9月に分配金をいくら払ったか
- ③の線は、2021年9月から6か月間でどれくらい基準価額が増減したか
- ②の線は、2022年3月に分配金をいくら払ったか
をあらわします。
ここでポイントとなるのは、
- 決算日に収益分配金を分配していること
- 騰落率は「分配金を非課税で再投資した」と仮定して計算すること
の2点です。
よって、以下のようにやるのは間違いです。
上の図の茶色い線AEの傾きが騰落率だったらすごい楽ですが、これじゃあ楽すぎてCFP資格審査試験の問題にはなりません。
騰落率を求めるには、上の図にはない点を求め、そこと点との傾き(点Aから1年間でどれくらい増減したか)を求める必要があります。
では、「ここにはない点」はどうやって求めるのでしょか。
「分配金はすべて再投資したと仮定して」求めるということは、上の図の点Bからどれくらい増減したかを求めることになります。
ここで、「どれくらい増減したか」というのは、2021年9月から2022年3月までの6か月間の運用実績ですが、それは点線③(直線CD)の傾きであらわされます 。
なので、「分配金はすべて再投資したと仮定」した運用実績は、③の線を平行移動して、点Cからではなく、点Bから始めた直線③'により表されます。そして、その直線③’の端の点D’が、再投資した後の基準価額ということになります。
では、点D’であらわされる基準価額はいくらになるのでしょうか。
その前に、直線CDの傾きを求めましょう。
上の式にもありますように、直線CDの傾きは
11,000/11,200=0.98214・・・・となり、端数処理の結果
0.9821
となります。
増減を%で表すと
(0.9821-1)×100=▲1.79%
となりますが、ここでは小数の方が計算しやすいのでそのままにしておきます。
直線BD’も傾きは同じですから、
D’/11,600=0.9821
と書けます。
よって
D’=11,600×0.9821=11,392.36
となり、
円未満四捨五入ですので、
D’=11,392円
となります。
いよいよ1年間の騰落率を求めることとなります。
もうお分かりかもしれませんが、求める騰落率は直線AD’の傾きとなります。(上の図の赤い線です。)
図にありますように、
11,392/10,500=1.08495・・・となり、端数処理で1.0850となります。
騰落率は%で求める必要があるので、
(1.0850-1)×100=8.5%
が答えとなります。
おまけ
今日もFP2級ドットコムのアプリで修業をしてまいりました。
その結果がこちら。
今日は35問中26問正解でした。
74.29%という、やや煮え切らない数字となってしまいました。
どの分野も少しずつではありますが、修業の成果は出ているようです。
明日もがんばろう。