めざせ行政書士&CFP(R)!放送大学生ひでえぬのブログ

CFP(R)からのFP1級を取得後、行政書士試験に挑戦中。ひでえぬのブログです。その時の勉強法などを載せてます。2021年4月から放送大学で心理学を勉強しています。

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FP試験対策㊹ 投資信託の基準価額と個別元本 その3

みなさんこんにちは、ひでえぬです。

 

今回は、前回の問題でお伝え出来なかった「トータルリターン」についてお伝えします。

 

 

トータルリターンとは・・・

 

「トータル」「リターン」です。

 

説明になってない・・・。

 

つまりですね、

ここでいう「トータル」というのは、譲渡損益(キャピタルゲイン)のほかに、分配金や利子などのインカムゲインも含まれます。また、売買にかかる手数料なども考慮に入れられます。

 

www.rakuten-sec.co.jp

 

要するに、資産の保有にかかるすべての収支を明らかにしようとする数字が「トータルリターン」と言えるかもしれませんね。 

 

トータルリターンは以下の式により算出されます。

 

 評価金額+累計受取分配金額+累計売付金額ー累計買付金額

それぞれの用語については、問題の解説と並行して行いたいと思います。

 

前回の問題

 

前回の問題はこちらです。

 

 

hide-n64.hatenablog.jp

 

(問題)

 

ひでえぬさんは、以下の条件で投資信託HNを購入し、収益分配金を受け取った。このとき、

  • 2021年9月30日時点での個別元本
  • 2021年9月30日を基準日として計算したトータルリターンの金額

を求めなさい。

なお、復興特別所得税は考慮せず、収益分売金の額は税引き後の額で計算すること。また、購入に際し手数料は考慮しないものとする。

 

f:id:hide-n64:20210502151956p:plain

 (スマホの方、やっぱり見にくくてごめんなさい)

 

(解説)

 

トータルリターン=評価金額+累計受取分配金額+累計売付金額ー累計買付金額

 

では、1つずつ見てみましょう。

 

評価金額

 

投資信託の場合、評価金額というのは、

 

評価時点での基準価額×保有口数

 

となります。

この問題では、2021年9月30日時点で計算しますので、

 

 10,200 \times 300=3,060,000

 

 となります。

 

累計受取分配金額

読んで字のごとくですが、購入後評価時点(2021年9月30日)までのすべての分配金額を合計します。

 

では、決算日ごとに見てみましょう。

 

2018.9.30

 

決算日1

 

前回も同じ図を出しましたが、オレンジの部分だけ説明に使っていました。今回は、右上にある青と緑の部分が重要になります。

 

決算日直前の個別元本(今回は購入時)が10,300円、分配落ち後の基準価額が10,000円なので、差額の300円元本払戻金となります。

 

分配金の総額は500円なので、残りの200円普通分配金となります。

 

問題はこの後です。

  • 元本払戻金は非課税
  • 普通分配金は分離課税所得税15%、住民税5%の合計20%)

なので、元本払戻金はそのまま加算しますが、普通分配金は税金分20%を引いた、80%分を加算します。

 

よって計算式は、

 

 {(300+200 \times0.8)} \times 100=46,000

 

 となります。

 

2019.9.30 

決算日2



 

2019年2月1日に追加購入したので、決算日直前の個別元本は10,050円となっています。

分配落ち後の基準価額は9,900円なので、差額の150円元本払戻金となります。

 

分配金の総額は300円なので、残りの150円普通分配金となります。

 

計算式は先ほどと同様に、

 

 {(150+150 \times0.8)} \times 200=54,000

 

 となります。

 

追加購入しているので、保有口数は200万口となることに注意します。

 

 

2020.9.30

 

決算日3

 

今回は追加購入はないので、個別元本は9,900円のまま決算日を迎えました。

 

また、分配落ち後の基準価額は10,000円なので、決算後の個別元本も9,900円のままです。

 

したがって、今回の分配金100円は、すべて普通分配金となります。

 

よって計算式は、

 

 {100 \times0.8} \times 200=16,000

 

となります。

 

2021,9,30 

 

決算日4


最後の分配金ですが、2回目の追加購入をしているので保有口数は300万口になっています。

 

追加購入後の個別元本は10,000円ですが、

分配落ち後の基準価額は10,200円なので、決算後の個別元本も10,000円のままです。

 

したがって、今回の分配金300円は、すべて普通分配金となります。

 

よって計算式は、

 

 {300 \times0.8} \times 300=72,000

 

となります。

 

累計受取分配金額は

 

46,000+54,000+16,000+72,000=188,000円

 

となります。

 

累計売付金額

今回の設問では一部解約を行っていないので、累計売付金額は0です。

トータルリターンの問題は過去問にはいくつかありますが、ここは0の場合が多いです。

 

累計買付金額

こちらは、実際に買った金額を合計します。ですから、

 

購入時の基準価額×購入口数 の合計


で求めます。

 

式は、

 {10,300 \times100}+{10,100 \times100}+{10,200 \times100}=3,060,000

 

こたえ

したがって、トータルリターンは

 

3,060,000+188,000+0-3,060,000=188,000円

 

です。

 

まとめ

トータルリターンの問題では、これまでのところ計算式が出ているので一見簡単に見えますが、評価金額、累計買付金額、累計売付金額がそれぞれ正確に計算しないと正解に到達しません。

 

また、もしかすると今後、計算式が問題で提示されなくなるかもしれません。まあ、トータルリターンの考え方自体は単純なので、式がなくても解けるとは思いますが、それぞれの要素をきちんと把握することが大事ですね。