みなさんこんにちは、ひでえぬです。
CFP資格審査試験の問題を解いていて、模試の時とかもそうだったのですが、「外貨」とか「為替」がからむ問題がちょっと苦手なようです。
そこで、試験直前ですが、基本的なところから振り返ってみたいと思います。
今回は為替予約についてお伝えしたいのですが、その前に、「そもそも為替予約をする理由」を理解するため、為替変動リスクについて考えてみましょう。
(例題)
ひでえぬさんは、HN銀行に10,000ドル分を円からドルに換え、5%の金利で1年間預けることにした。このとき、1年後の為替レートが以下のa~cとなったときの、税引き前の償還差益を求めなさい。なお、預入時の為替レートは1ドル=100円とし、為替手数料は考慮しないものとする。
- a 1ドル=90円の場合
- b 1ドル=100円の場合
- c 1ドル=110円の場合
(解説)
預入時に必要なお金は、円に換算すると、
10,000ドル×100円=1,000,000円
となります。
これと、償還時に帰ってくるお金との差額が「償還損益」となります。
では、償還時に帰ってくるお金を計算してみましょう。
10,000ドルに対し、1年間で5%の金利が付きます。
金利分は
10,000ドル×5%=500ドル
となります。
よって、ドル建ての元利合計額は
10,000+500=10,500ドル
ですね。
これを償還時に円に換えたうえで、償還損益を計算します。
a 1ドル=90円の場合
10,500ドル×90円=945,000円
あれ?
元本は100万円あったはずなのに・・・
利息ももらったはずなのに、円に換算すると元が取れなくなっていますね。
これを元本割れといいます。
外貨預金の場合、このように為替レートの変動により、元本割れをする恐れ(リスク)があります。
これを
為替変動リスク
といいます。
償還差益ですが、
945,000円ー1,000,000円=▲55,000円
となります。
b 1ドル=100円の場合
10,500ドル×100円=1,050,000円
この場合は、為替レートの変動による増減(これを「為替差益」といいます)がないので、単純に利息分に為替レートをかけた分が利益となります。
・・・といっても、実際はこのほかに為替手数料とか税金とかかかるんですが、そこは今回のポイントではないので省略します。
償還差益ですが、
1,050,000円ー1,000,000円=50,000円
となります。
c 1ドル=110円の場合
10,500ドル×110円=1,155,000円
この場合は、金利による利益のほかに、為替レートの変動による利益(為替差益)もあります。
償還差益ですが、
1,155,000円ー1,000,000円=155,000円
となります。
さて、3つのケースについて考えてみましたが、当初1ドル=100円だったとすると、
aのケースでは「円高」に、cのケースでは「円安」といいます。
つまり、外貨から円に戻すときに、
円高だと損をして、円安だと得をする
ということがわかります。
ところで、
100円から90円になったんだから、円が安くなったんじゃないの?
と思われる方もいらっしゃると思います。
こちらの説明が分かりやすいかも。
こちらの説明はちょっと変わっていて面白いです。
どちらも難しいという方はこちら。(中学生向け)
個人的には
「1ドル=90円のほうが1ドル手に入れるのに必要なお金が少なくて済む=円の価値が高い」
という風に理解しています。
「価値が高い」「価値が低い」のところを「強い」「弱い」に言い換えた方が、自分としてはしっくりくるかな。
つまり、
円高=円が強い
円安=円が弱い
というような具合です。
では、なぜ為替予約を?
で、「為替予約」にもどります。
「そもそもなんで為替予約をするか」なんですが、
「為替変動リスクを回避するため」
ということになります。
預入してから、円安になればいいですが、円高になった日には、為替差益が金利分でもカバーできないことがあります。ですが、満期時のレートなんて、だれにもわかりません。
ですが、為替予約により、あらかじめ償還時のレートが決まっていれば、償還金額も確定するので、うまく使えば元本割れを防ぐことができます。
その代わり、実勢相場がものすごい円安になったとしても、為替予約はキャンセルできませんので、レートは予約時のままです。「予約しないほうが儲かったのに・・・」なんてこともあり得ますが、そもそもリスクを回避するということは、ある程度のリターンを放棄することでもありますので、仕方のないところです。
次回は、為替予約のレートの求め方をお伝えします。
では、また。