めざせ行政書士&CFP(R)!放送大学生ひでえぬのブログ

CFP(R)からのFP1級を取得後、行政書士試験に挑戦中。ひでえぬのブログです。その時の勉強法などを載せてます。2021年4月から放送大学で心理学を勉強しています。

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FP試験対策㊷ 投資信託の基準価額と個別元本 その1

みなさんこんにちは、ひでえぬです。

今回は、投資信託分配金についてお伝えします。

実は過去問でちょっと面白い問題を見つけたのですが、いきなり解説しちゃうと分かりにくいので、分配金のシステムを最初にご説明したいと思います。

 

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分配金とは

 

投資信託には決算期に分配金が出るものがあります。一見預金の利息と似ていますが、預金の利息については所定の利率に応じで、必ず支払われる(もっとも、最近は超低金利なので、ごく微々たるものですが) ものですが、投資信託の分配金は運用成績によって金額が変わるということに注意が必要です。

 

個人的には、長期の資産運用をメインにするのであれば分配金が出ないもの(再投資されるもの)を選択するのが断然おすすめなのですが、今回は「分配金が出た時の基準価額と個別元本の関係」がテーマなので、ひでえぬの個人的意見は完全スルーします。

 

 さて、ここでひでえぬが100口あたり10,000円(通常、投資信託は1口単位で購入できますが、100口単位で金額を表示します)で100口の投資信託HNを購入したとします。

 

投資信託は日々値段が上下するので、10,000円で買った投資信託も刻々と値段が変わります。余談ですが、ひでえぬがつみたてNISAを始めて投資信託を買い始めてすぐにコロナショックで投資信託の金額が暴落しました。その後値段は戻りましたが、持っている投資信託の中には、その時から1万円以上(100口あたり)値上がりしたものもあります。

 

話をもとに戻します。

 

基準価額と個別元本

 

10,000円/100口で購入した投資信託の基準価額が以下のとおり変化した場合の、個別元本と配当落ち後の基準価額の違いを見てみましょう。

 

※以下、特に記載のない場合は100口あたりの金額を記載します。

 

  • ケース1 基準価額が11,000円に値上がり後、500円の分配金が支払われた場合
  • ケース2 基準価額が10,500円に値上がり後、1,000円の分配金が支払われた場合
  • ケース3 基準価額が9,500円に値上がり値下がり後、500円の分配金が支払われた場合

 

これは文章だと分かりにくいので、図に書いてしまうのが一番です。

その前に、ここで用語のおさらいをしましょう。

 

基準価額というのは、投資信託の価値のことです。先ほども述べましたが、通常は100口ごとの値段を表します。

 

個別元本というのは、「ある時点の基準価額」のことです。通常は投資家の購入時の基準価額のことを指しますが、あとでご説明するように、個別元本は額が変わることがあります。

 

この2つの用語を混同しないように注意してください。

 

ケース1

 

では、まずケース1の図を見てみましょう。

ケース1

 

購入時の基準価額は10,000円ですが、 11,000円に値上がりしています。そこから、500円の分配金を支払ったので、分配落ち後の基準価額は11,000-500=10,500円ということになります。

 

この時点での基準価額が個別元本を上回っている場合、個別元本の変更はありません。つまり10,000円のままです。

 

また、この時の分配金はすべて普通分配金となります。

 

普通分配金は原則として分離課税の対象となり、特定口座で投資信託を購入していれば所得税15%(復興特別所得税を除く)、住民税5%の合計20%源泉徴収されます。

 

ですから、税引き後の手取り額は

500×(1-0.2)=400円

となります。

 

他にも資産運用している場合、確定申告をして税金の還付を受けたりとか損失の繰り越し控除が・・・とかあるのですが、ここでは割愛します。

 

ケース2

 

続いて、ケース2の場合を見てみましょう。

 

ケース2

 

基準価額が10,500円に値上がりしました。

 

そこから分配金を1,000円支払っているので、分配落ち後の基準価額は10,500-500=9,500円となります。

 

個別元本は10,000円です。分配落ち後の基準価額が個別元本を下回った場合、その分だけ個別元本も少なくなります。つまり、この時点で個別元本も9,500円に修正されます。

 

 このとき、10,500円から10,000まで減った分の分配金500円は普通分配金ですが、10,000円から9,500円まで減った分の分配金500円は元本払戻金といって、普通分配金と異なり、所得税、住民税は非課税です。

 

ちなみに、この場合の税引き後の分配金の額は以下のとおりとなります。

復興特別所得税は考慮しません。ですから、所得税と住民税の合計は20%ですので、残りの80%が税引き後の額となります。

 

したがって、

 

普通分配金:500円×0.8=400円

元本払戻金:500円(非課税)

 

合計:400+500=900円

となります。 

 

ケース3

 

(2021.5.25 加筆修正)

では最後に、ケース3の場合を見てみましょう。

 

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分配落ち前の基準価額がすでに10,000円を下回っています。

 

こういう場合に気を付けなければいけないのは、これはまさに私が勘違いして間違えたところですが、

この場合、基準価額は9,500円ですが、個別元本は10,000円のままです。

 

よって、10,000円から分配金の分だけ、個別元本が少なくなるということになります。

 

よって個別元本は、

(誤)9,500-500=9,000円

(正)10,000-500=9,500円

 

となります。

 

なお、分配金はすべて元本払戻金となります。

元本払戻金ですので、非課税となります。

(加筆訂正終わり)

 

まとめ

 

このように、分配落ち後の基準価額によって、分配金の性格が異なり、税金の取り扱いも異なります。

 

また、個別元本が変わる場合と変わらない場合があります。

 

なお、個別元本の計算にあたっては、購入手数料などは考慮しませんのでご注意ください。(譲渡所得やトータルリターンを計算する場合は考慮に入れます。)

 

次回は、これを使った過去問の類題を見てみたいと思います。

 

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(ケース3に誤りがありました。大変失礼いたしました。)