みなさんこんにちは、ひでえぬです。
最近、放送大学の授業を視聴していますが、ちょっと余裕が出てきたので、今学期履修している3科目だけではなく、他の科目の授業も見始めました。
2学期に履修予定の「心理学概論(’18)」を視ています。
今日は、第4回「学習心理学」をみました。
(シラバスに直接リンクを貼れないので、上のページから「心理学概論(’18)」を選択してください。)
この中で、「道具的条件付け(オペラント条件付け)」というのがあります。
ネズミを実験用の箱(この開発者の名前を取ってスキナー箱と呼ぶそうです)に入れます。
この箱は、「レバーを押すと餌が出る」という仕掛けになっていますが、当初ネズミはそんなことは知りません。
何かの拍子でレバーを押すことがあったとすると、エサが出ます。これを何度か繰り返すうちに、ネズミはエサが欲しいときには、レバーを押してエサを獲得することができるようになります。これを「レバーを押すことによるエサの獲得を学習した」ことになります。
これを応用して、ハトを使った実験で「イグノーベル賞」を受賞した先生がゲストで登場していました。
1995年に「ハトを訓練してピカソの絵とモネの絵を区別させることに成功したこと」で受賞したそうです。
授業では、実際にハトがモネの絵の時だけくちばしでつついている(その時エサが出る)映像が紹介されていました。
その映像を見て、「よく訓練(条件付け)したなあ」と思うと同時に、「イグノーベル賞って、なんかくだらないことした人が受賞するんじゃなかったっけ?」と思い、調べてみました。
まあ結論から言うと私の勘違いですね。
「人々を笑わせ考えさせた業績」に対して贈られる賞なので、ただ単に「面白い(あるいはくだらない)」だけでは受賞できないようです。
実際、上のリンクにある「日本人の受賞一覧」を見ても、一見くだらないけど、よく見ると有益なもの、何かのヒントになりそうなものが受賞している気がします。
「ジャイアントパンダの排泄物から採取したバクテリアを用いると、台所の生ゴミは、質量で90パーセント以上削減できることを示したことに対して」(2009年生物学賞)なんて、なんか役に立つそうですね。まあ実用化するにはこのバクテリアをどうやって大量生産するかが課題になりそうですが。
今回の授業で取り上げられた「ハトを訓練してピカソの絵とモネの絵を区別させることに成功した」というのも、ピカソの絵の特定の絵(例えば「ゲルニカ」だとしましょう)だけではなくて、初めて見せる絵でも、条件付けをきっちりやればきちんと反応するそうです。ただし、それは人間が「これはピカソの絵だ」と認識するのとは別の方法で区別している(らしい)とのことです。
このように、一見くだらないですが、条件付けにより「かなり高度な学習が可能である」ことを実証したともいえます。つまり、非常にまじめな研究なんですね。(当たり前か)
ちなみに、2007年から、日本人は14年連続で受賞しているそうです。
「我こそは」という方は挑戦してみてはいかがでしょうか。