みなさんこんにちは、ひでえぬです。
今回は、老齢基礎年金の計算問題です。
問20
潤太さんは20歳から国民年金の第1号被保険者であるが、学生納付特例制度の承認を受けているため保険料は納めていない。仮に潤太さんの公的年金加入歴が下記<資料>のとおりであるものとすると、潤太さんに支給される老齢基礎年金の額として、正しいものはどれか。なお、潤太さんは学生納付特例期間について保険料を追納しないものとし、年金額の計算に当たっては計算過程、解答ともに円未満を四捨五入するものとする。
<資料>
[潤太さんの公的年金加入歴(仮定)]
[老齢基礎年金の満額]780,900円
1. 728,840円
2. 754,870円
3. 767,885円
4. 780,900円
(解説)
老齢基礎年金の受給(予定)額について計算する問題です。
結局のところ、突き詰めれば分数の計算問題なんですが、計算に当たって注意することは、「学生納付特例制度」について理解しているかどうかです。
学生納付特例制度とは、20歳になると国民年金の加入者となりますが、学生の間は所得が少ないことが予想されるため、申請により一定の所得以下の人についてはその間の保険料について納付の猶予が受けられるという制度です。
この制度の特徴は、
- 納付しなくても「受給資格期間」には算入される
- 納付しないと「年金額」には反映されない
ということです。
納付しなくても「受給資格期間」には算入されるとはどういうことでしょうか。
老齢年金をもらうには「受給資格期間」が10年以上必要です。受給資格期間は原則としては保険料を納付した期間のことを指しますが、いくつか例外があり、そのうちの1つに「学生納付特例期間」が含まれます。
ですから、例えば、保険料の納付期間(国民年金のほか、厚生年金や共済組合も含みます)が9年間(108月)しかなかったとしても、学生納付特例期間が1年6か月(18月)あったとすると、
108月+18月=126月=10年6月
となり、老齢基礎年金を受け取ることができることとなります。
納付しないと「年金額」には反映されない
というのは、上のように受給資格の有無の判断については多少有利になりますが、年金額を計算する際には「未納」と同じ扱いになるということです。
したがって、今回の問題では国民年金の受給資格期間は480か月となりますが、保険料の納付期間は448か月となります。
計算式は全部きちんと書くとちょっと複雑ですが、ざっくり書くと
(老齢基礎年金の満額)×(保険料納付済月数)÷480月
となります。
よってこの問題の場合だと、
780,900円×448月÷480月=728,840円
となり、1番が正解となります。
(おまけ)
追納について
今までお伝えしたように、学生納付特例制度を利用した場合、年金額には反映されません。ですが、のちに社会人になって保険料が納められるようになった時に備えて「追納」といって後払いする制度があります。
追納によってどれくらい年金額が増えるかについては、以下を参照してください。
ただし、免除を受けた翌年度から起算して3年度目以降の支払いについては、一定の額が加算されます。
いくら追納すればよいか などについては、こちらを参照してください。
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html
これは、今回の問題の中ではサービス問題の部類に入ると思います。
では、また。