みなさんこんにちは、ひでえぬです。
私の今の仕事ですが、ざっくりいうと職場では財務や経理を担当しています。
なので、お給料や税金に関する相談も時々受けます。
先日、職員から、「妻が『昨年の年収が130万円を超えたって言ってたんだけど、交通費を除くと130万円は切る』といっている。この場合、扶養から外さないといけないですか?」
という質問を受けました。
いい質問ですね。
この質問に直接答えてもいいのですが、せっかくなので、「〇〇円の壁」っていうのがたくさんあるので、このさい整理してみましょう。
壁には2種類ある
ここで、まず大事なことを1つ。
この「〇〇円の壁」には、大きく分けて2種類あります。
今回はまず「社会保険上の壁」について考えてみましょう。
106万円の壁
これは、勤務先が一定の規模以上の場合、「社会保険に加入する義務」が発生しますが、その境目となる「壁」です。
つまり、例えば配偶者の方が仕事をしているときに、年収が106万円(くらい)を超えると、
社会保険に加入しなければいけないが、それは会社の規模による
ということです。
要件は5つありますが、実は5つのうち4つは、会社の要件ではなく、勤めている本人の勤務形態が関係しています。
具体的に見てみると、
勤務先の規模としては、
- 従業員(ここでは厚生年金の被保険者)が501人以上。ただし、地方公共団体については人数にかかわらず該当する
また、本人の要件としては
- 賃金の月額が88,000円以上であること
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 雇用期間が1年以上見込まれること
- 学生ではないこと
では、それぞれ見ていきましょう。
以下、こちらのページを参照しています、
(日本年金機構HP)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150518.html
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html
従業員(ここでは厚生年金の被保険者)が501人以上。ただし、地方公共団体については人数にかかわらず該当する
これは、上のページによると
- 特定適用事業所または任意特定適用事業所に勤めていること(国、地方公共団体に属する全ての適用事業所を含む)
と書かれているものを要約したものです。
いろいろと細かく書かれていますが、ざっくりいうと、
従業員が501人以上。ただし、地方公共団体については人数にかかわらず該当する
となります。
もしわからないときは、職場の経理担当の人に、「この会社は特定適用事業所または任意特定適用事業所ですか?」と聞いてみましょう。
「私はこの会社で厚生年金(健康保険でも可」入っていますか?」ってきくと、もしかするとブラックな会社で、「実は加入手続きをさぼってた」という場合だとはぐらかされるかもしれませんが、
「特定適用事業所または任意特定適用事業所ですか?」ときくと、
「こいつ、できるな!」
と思われるかもしれません。(思われないかもしれません)
賃金の月額が88,000円以上であること
ここでいう「賃金」というのは、以下のものは含まれません。
- 臨時に支払われる賃金および1月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:結婚手当、賞与等)
- 時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金(例:割増賃金等)
- 最低賃金法で算入しないことを定める賃金(例:精皆勤手当、通勤手当、家族手当)
こちらも参考にしてみてください。
週の所定労働時間が20時間以上であること
この場合の所定労働時間は、いわゆる時間外労働は含みません。また、パートやアルバイトなどで勤務時間が均一でない場合は、平均を取ることとなります。
雇用期間が1年以上見込まれること
これについては、
雇用期間が1年以上のもの(無期限なものを含む)は当然該当しますが、雇用期間が1年以内でもこれまでの実績から当然に1年以上になると推定されるもの(最初は短めに採用して、慣例的に延長されているもの)は含まれます。
学生ではないこと
上のページによると、除外対象として、
- 卒業見込証明書を有する方で、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ事業所に勤務する予定の方
- 休学中の方
- 大学の夜間学部および高等学校の夜間等の定時制の課程の方等
とあります。
放送大学は通信制ですが、「夜間学部」ではないので、どうなのでしょうか。
ちなみに、国民年金に関しては一定の収入以下であれば「学生納付特例制度」の対象となります。
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150514.html
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/gakutokutaisyouko.html
ただし、「学生納付特例制度」でいう「大学」とは、夜間学部等は含まれますので、ちょっと参考にならないかも。
というわけで、106万円の壁についてお伝えしました。
このあと130万円の壁についてお伝えしようと思ったのですが、ちょっと長くなったので、回を改めてお送りしたいと思います。
では、また。