みなさんこんにちは、ひでえぬです。
基礎的財政収支と財政収支という言葉があります。CFP資格審査試験でもこの違いを訪ねる問題が出題されていますが、この両者はどうちがうのでしょうか。
まずは「基礎的財政収支」から。
基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出と収支のことを表し、その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標となっています。
(財務省HPより)
計算式は、
基礎的財政収支=(税収+税外収入)ー政策的経費
となります。(ウィキペディアより)
青い字の部分は、要するに歳入全体から公債費(公債の発行により調達した収入)を除いたもので、借金をせずに調達した経費ということです。
赤い字の部分はさらに細かく見ていくと、
社会保障経費やその他一般歳出と、地方交付税(地方公共団体間の財源の不均衡を調整するための収入として、国から地方公共団体に交付される財源)で、歳出総額のうち、国債費(国債の元本の償還にあてられる費用と利子の支払いにあてられる費用)を除いたものです。
では、図に書いてみましょう。
2019年度の国の当初予算をもとにグラフに書いてみました。
これらの収支が黒字かどうかを判断するにあたって、この利子の支払いにあてられる費用をどう扱うかについて、2通りの考え方があります。
1つは、「国の事業で使うお金(政策的経費)」の額が「返す必要のないお金(税収および税外収入)」の範囲内だったらいいんじゃないの?という考え。要するに「収入の範囲内で支出している」という言い分で、これが「基礎的財政収支」の発想です。
図に表すとこうなります。
一方で、上で述べた「収入」には「借金(国債)」で調達したお金も含まれます。借金には当然利子を支払う必要がありますが、これを国債と同様に負債として考えるのであれば、政策的経費と利子の支払いにあてられる費用との合計が「返す必要のないお金(税収および税外収入)」の範囲内に収まって、初めて「黒字化」したといえるんじゃないか。というのが2つ目の考え方です。
これに基づいて計算されるのが「財政収支」というものです。
日本は1つ目のの考え方(基礎的財政収支)を採用しており、アメリカでは2つ目の考え方を採用していますが、近年日本でも「基礎的財政収支」ではなく「財政収支」が黒字化どうかを見極めたほうがいいのではないかという考えもあります。
もっというと「基礎的財政収支の黒字化は必要ない」という考えもあるようなのですが、興味のある方はWikipediaをご覧ください。