めざせ行政書士&CFP(R)!放送大学生ひでえぬのブログ

CFP(R)からのFP1級を取得後、行政書士試験に挑戦中。ひでえぬのブログです。その時の勉強法などを載せてます。2021年4月から放送大学で心理学を勉強しています。

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「図書館のゆるゆる人生質問箱」ブックレビュー

みなさんこんにちは、ひでえぬです。

先日読んだ本がとても面白かったので、今日はこの本の紹介をしようと思います。

 

 

「図書館のゆるゆる人生質問箱(以下、「本書」といいます。)」というもので、北海道東部にある、斜里町の図書館職員の方が書いた本です。

斜里町というのはどこかといいますと、

 

ここです。

 

斜里町HPにある「斜里町について」というページに行くと、Googleマップで教えてくれました。

 

www.town.shari.hokkaido.jp

 

斜里町立図書館は2015年に現在の場所に移転しました。隣には中学校があり、小学校も高校も徒歩圏内にありますが、中学生の利用が少ないのが悩みだったそうです。



そこで、「中高生が普段抱えている、『人に相談するほどのことではない悩みや疑問、不安』(12ページ*1)を紙面に書いて専用の函に投函してもらい、後日図書館職員が返事を掲示板に張り出す」という「YAコミュ板」というものを始めたところ、500枚ほどの投稿が寄せられました。この本は、その中から120ほどの「悩みや疑問、不安」について答えたものが集められています。

 

読むのがかなり遅い私でも1日で全部読めちゃうくらいの量ですが、1つ1つの質問に対し、真摯に向き合っている姿勢がとても好感が持てました。

 

No.001 利用者からの質問・疑問・意見

何か言うたびに、

「それは違うんじゃない?」と

文句をつけてくる人がいるのですが、

どうしたらいいですか?

小学5年生

図書館からの返信*2

では、どこが違うのか聞いてみましょう。

その答えを聞けば、改善案なのか、単に否定をしたいのか、わかるはず。

自分と意見が違う相手と会う機会は、

大人になってもよくあります。

大切なのは、意見が違うことを

「文句」だと決めつけず、相手の考えを聞いてみようという

姿勢を持つことだと思います。(14ページ)

 

これを書いたのは小学5年生ですが、中高生はもとより、大人が読んでも参考になりますね。

120ある答えの中にはちょっとフェイントかけてるものとかもあったりしますが、これはこれで面白かったりします。

ですが、なぜこの本が多くの人を引き付けるかを考える時、図書館職員の方の「願い」が全編を通して伝わってくるからだと思います。

 

No.120 利用者からの質問・疑問・意見

なぜ斜里町には、

北見にあるような大きい建物が

1つもないのですか?

斜里つまんない。

12歳

 

図書館からの返信

 大きい建物とは、映画館が併設された商業施設などのことでしょうか。

 なぜなのでしょう。きっと、経営する方々が採算性や交通アクセスなど、いろいろな面から考えた結果なのだと思います。

 

 そして、私が、「斜里にも楽しいところがたくさんあるよ」と言ったところで、あなたは納得しないでしょう。でも、それで良いと思います。私は斜里よりもさらに小さな町の出身ですが、12歳の頃は同じことを感じていました。

 これから大きくなって、進学や就職などで斜里を離れることがあるかもしれません。その際、北見や札幌や東京に住んでみてください。そのとき、大きな建物に対し、こんな感想を持つかもしれません。

「近くにあると、思ったよりも行かねえな」と。

 

 ちなみに、あなたの思うつまんない町には、とても多くの観光客が来ています。

 それは、なぜだと思いますか?

(150‐151ページ)

 

斜里つまんない」という12歳の意見に対し、図書館職員の方は「12歳の頃は同じことを感じていました」と肯定しつつも、「あなたの思うつまんない町には、とても多くの観光客が来ています。それは、なぜだと思いますか?」と尋ねています。

 

実はこの本のあとがきで、2つの「伝えたいこと」があるといっています。

1つめは、「今いる世界がすべてじゃない」で、2つめは「世の中には、いろんな考え方がある」ということです。

 

人口1万人の斜里町には、おそらく大きい建物はあまりないのでしょう。2015年に移転した斜里町立図書館もそれなりに大きい建物だと思いますが、12歳の「あなた」にとっても大きい建物ではないのでしょうね。

そして、「大きい建物がない=都会じゃない、つまらない」という考えができたんだと思います。

 

ですが、そういう考え方もあるよねと認めつつ、違う考えを図書館職員の方は提示しています。

 

「近くにあると、思ったよりも行かねえな」

 

つまり、近くにあるとそれが当たり前になってしまって、ありがたみに気づかないということです。

そして、「つまんない町」にどうして多くの観光客が来るのか、考えてみたらどうだろうといっています。

 

斜里町HPによると、斜里町へは女満別空港から車で60分。ちなみに女満別空港へは羽田空港から1日6往復、千歳空港からも1日6往復(2025年4月20日時点)だそうです。

これは決してアクセスがいい方ではありません。

よっぽど魅力がないと、普通は行きません。(仕事の用事とかは別ですが)

 

にもかかわらず、年間数十万人、年によっては100万人を超える観光客が来るそうです。

www.town.shari.hokkaido.jp

 

答えはだいたい想像がつくかと思いますが、世界遺産などの自然に触れるためですね。

ところが、生まれてからずーっと斜里に住んでいる(と思われる)12歳の「あなた」には、空気のように当たり前のものを「世界遺産」と言われても実感ないでしょう。

将来、学校を出て斜里を出たときに、「斜里の自然はよかったな」と思う時があるかもしれません。そうなれば気づくと思いますが、その前に

 

「つまんない町」にどうして多くの観光客が来るのか

 

という疑問を持ち、それについて考えることで、新たな考え方を発見できるチャンスがあるということを、図書館職員の方は教えてくれたんだと思います。

 

今回は、久しぶりにいい本にあったので、長々と書いてしまいました。

図書館職員の方はとてもやさしい文を書かれますが、実は誤字については見逃してくれないんです。

公開する前に念のため3回ほど読み返して確認しましたが、大丈夫かな?

 

では、また。

 

*1:以下、本書からの引用はページ数のみ表記します。

*2:原文は「利用者からの質問・疑問・意見」が縦書き、「図書館からの返信」は横書きですが、ブログの仕様上すべて横書きにします。また、可能な限り改行は原文に合わせています。