みなさんこんにちは、ひでえぬです。
久しぶりに1級FPの実技試験の問題を解いてみましょう。
今回は金融資産運用設計の問題です。
問3
智弘さんは、将来の財産形成のため、資産運用の勉強を始めることにした。下記<資料>に関する次の(ア)~(エ)の記述について、正しいものには○、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。
<資料>
(ア)この日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の価格が上昇した。
(イ)この日の日経平均株価(225種)の前日比下落率は、東証株価指数(TOPIX)の前日比下落率の2倍より大きくなった。
(ウ)この日の日経平均株価(225種)の将来1ヵ月の予想変動率は、前日比で下落した。
(エ)この日の日経平均株価(225種)の動きを日足のローソク足でチャートにする場合、ローソク足は陰線になる。
(解説)
(ア)この日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の価格が上昇した。
答えは×です。
<資料>左下に「新発10年国債利回り」の動きが書いてありますが、( )内に+0.115とあります。これは前日終値に比べて+0.015%ということで、つまり前日に比べて利回りは上昇したということです。
利回りが上昇した場合、債券価格は下落しています。一見逆のような気がしますが、簡単に言うと、
価格が下落する→安く買える→売るときに、買った時より高く売れる可能性が上がる→利回りが上がる
という理屈です。
(イ)この日の日経平均株価(225種)の前日比下落率は、東証株価指数(TOPIX)の前日比下落率の2倍より大きくなった。
答えは〇です。
<資料>の右上に日経平均株価(225種)の騰落率と東証株価指数(TOPIX)の騰落率が載っています。
日経平均株価(225種)の騰落率:-2.127%
-2.127÷(-1.039)=2.0471・・・となりますので、2倍以上となります。
ちなみに、この騰落率の求め方ですが、日経平均株価(225種)でやってみると、
-629.99÷(28930.11+628.11×100≒-2.127%
となります(東証株価指数(TOPIX)の騰落率も同様に求めます。)
(ウ)この日の日経平均株価(225種)の将来1ヵ月の予想変動率は、前日比で下落した。
答えは×です。
日経平均株価(225種)の将来1ヵ月の予想変動率は、<資料>の左上にある「日経平均VI」でわかります。
日経平均VIのVIとは、「ボラティリティ・インデックス」のことで、要は今後1か月にどれくらいの変動が予想されているかを表す数値です。指数が高いほど、今後投資家が価格の変動が大きいと予想されているということになります。
この数値が前日に比べてプラスになっているので、予想変動率は前日に比べて上昇したということになります。
(エ)この日の日経平均株価(225種)の動きを日足のローソク足でチャートにする場合、ローソク足は陰線になる。
答えは〇です。
この問題は日ごろお世話になっているいらすとやさんにもご協力いただきましょう。
ローソク足というのは上の図のようなもので、黒いのが陰線、白いのが陽線といいます
。
始値>終値のとき、つまり終値の方が低いときは陰線(黒いやつ)となり、始値>終値のとき、つまり終値の方が高いときは陽線(白いやつ)となります。
<資料>右下のグラフを見ると、始値>終値となっているので、陰線となることがわかります。
ちなみに細い線が伸びていますが、陰線、陽線とも細い線の下端が最安値、上端が最高値です。
その間にある箱のようなものですが、陰線の場合、箱の下端が終値、上端が始値で、陽線の場合は逆で、箱の下端が始値、上端が終値です。
この問題は(ア)と(ウ)が難しかったですね。
このように、1級FPの実技試験でも○×問題は出ますが、いわゆる4択問題ではなく、各選択肢ごとに○か×かを答える問題も結構あります。その場合、それぞれの問題についての知識が必要となりますので、より難易度が高いものとなります。
では、また、