めざせ行政書士&CFP(R)!放送大学生ひでえぬのブログ

CFP(R)からのFP1級を取得後、行政書士試験に挑戦中。ひでえぬのブログです。その時の勉強法などを載せてます。2021年4月から放送大学で心理学を勉強しています。

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FP試験対策#55 為替予約について その2 理論上の先物予約レート

みなさんこんにちは、ひでえぬです。

 

それでは、理論上の先物予約レートについて考えてみましょう。

  

hide-n64.hatenablog.jp

 

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(例題)

 

ひでえぬさんが、以下の条件で、米ドルに対して為替予約を行ったときの、理論上の先物予約レートはいくらになるか。

 

(為替予約の内容)

予約期間:1年(満期時の3か月前に為替予約を行った

スポットレート:1ドル=110円

予約時点のインターバンク市場における金利

 米ドル6か月物 年1%

 円6か月物 年0.2%

 

(注意)

  • 為替予約にかかる手数料等は考慮しない。
  • 計算過程では小数点以下第5位を四捨五入し、回答については小数点以下第3位を四捨五入すること。

 

(解説)

 

ここでいう「スポットレート」というのは、「満期時の1年前の時点での為替レート」という意味です。

 

「スポットレート」そのものの意味は「ある時点でのレート」ということなので、その意味で使っています。なので、債券などで出てきたスポットレートとはちょっと見た目が違うかもしれませんが、そこは気にしないようにしましょう。

 

で、その1年前のレート(スポットレート)から、それぞれの通貨に金利分を反映させたのちに、あらためてレートを算出します。

 

まず米ドルですが、1年後の1ドルは1年前から見ると

 

1×(1+0.01)=1.01ドル

 

となります。

 

次に1年後の110円は

 

1×(1+0.002)×110=110.22円

 

と計算できます。

 

よって、満期時の1年前の1ドル=110円が、1年後には

 

1.01ドル=110.22円

 

に理論上変化していることとなります。

これを書き直すと

 

1ドル=110.22円/1.01=109.13円

 

となり、1年後のほうが円高だということが分かります。

 

これはなぜかというと、この場合、ドルのほうが金利が高いため、相対的に現在価値が低くなってしまうからです。

 

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(おまけ:直物レートと先物レート)

 

問題文でいうスポットレートのことを「直物レート」とも言います。

 

直物レートは、インターバンク取引(銀行間の取引)で使用されるレートで、通常は2営業日後(翌々営業日)に受け渡しが行われます。

 

これに対し、もうちょっと先の「将来の特定の期日」に、「事前に合意した条件」で、受け渡しが行われるのが先物レートで、予約レートとも言います。

 

例題の場合で整理すると、こうなります。

 

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また、今回の問題でいうと、

 

金利>米ドル金利

 

となりますが、上で見たように、先物レートは、直物レートに対して円高ドル安となります。

 

このとき、ドルの予約レート<ドルの直物レートとなりますが、この状態をドルから円に対しディスカウントといい、逆の場合をプレミアムといいます。

 

つまり、金利<ドル金利ならば、ドル→円はディスカウント金利>ドル金利ならば、ドル→円はプレミアムということになります。

 

ちょっとややこしいですね。

次回はもうちょっと複雑な問題を考えてみたいと思います。

 

では、また。