みなさんこんにちは、ひでえぬです。
CFP資格審査試験の「金融資産運用設計」の問題用紙を開くと、最初の方は経済指標や金融政策についての知識を問う問題が出題されます。
このうち、金融政策については、日銀が公表している「金融システムレポート」などから文章を抜き出し、単語の穴埋めをさせる問題が比較的よく出題されています。
「金融システムレポートなんて、いままで読んだことがないから対策のしようがない」と思われますが、日本銀行のホームページで公表され、だれでも読むことができますので、対策をすることは可能です。
ですが、いくつかの理由により、「対策は不要」という考えが大勢を占めているようです。
- レポートの量が膨大にもかかわらず、出るのはそこからほんの一部分である
- 出ないこともある
- 出たとしても、1問か2問くらいである。
- 読んでなくても、ある程度こたえられる問題が多い
なので、他に優先すべきものがあるのであれば、無理して対策する必要はないと思います。
でも、ある程度時間に余裕があって、どうしても合格したいのであれば、やれることはやっておきましょう。
そこで、まず、過去問をチェックしつつ、どのくらいの頻度で出ているのか確認してみましょう。
2015年の第1回から、2020年の第2回(2020年の第1回は中止のため除外)までの11回のうち、6回出題されています。
5割は超えていますが、正直もっと多いと感じていました。
5割だと2回に1回ですが、感覚としては3回に2回は出ているんだろうなと思っていました。
これだと、6月には出ない可能性も結構ありますね。
ところで、CFP資格審査試験の過去問をみて、「金融システムレポート」の出題回数を調べているときに、実はもっと頻繁に出題されているものを見つけてしまいました。
「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」です。
日本銀行は、年4回(通常1月、4月、7月、10月)(注1)の政策委員会・金融政策決定会合において、先行きの経済・物価見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検し、そのもとでの金融政策運営の考え方を整理した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を決定し、公表しています。
(日本銀行HPより)
なんと、11回中10回出題されています。
1回だけ出題されていない(2016年度第1回)のですが、実はその次の回(2016年度第2回)には2題出されているので、1回あたりの出題数はちょうど1題ということになります。実質毎回出題しているようなものです。
ただ、毎回出題しているのに、穴埋めだけでは芸がないと思ったのかどうかわかりませんが、一部要約した文章を出してみたり、内容を要約したものを四択で選ばせたりと、いろいろ工夫を凝らしていますが、ここ2年ほどはあまりひねった問題は出ていません。
ここで両者のレポートを比べてみましょう。
どちらのレポートも、ざっくりいうと、最初に概要を数ページから10ページくらいで説明し、そのあと数10ページを割いて細かい説明を行っています。
過去には、詳細部分(それもかなり後ろの方)から出題しているものもありましたが、ここ2年くらいは、概要の部分から出題されていることが多くなっています。
つまり、やや簡単になっているということです。
また、どちらも第1回試験には「前年10月の資料」が、第2回には「当年4月の資料」が採用されています。「経済・物価情勢の展望」は、このほかに1月や7月にも作成・公表されていますが、これらのものは採用されていません。問題作成のタイミングからして、やってできないことはないのでしょうが、「金融システムレポート」などとの整合性からあえてそうしないのだと思います。
ここまで調べてみると、ある程度対策が見えてきました。
- 「金融システムレポート」と「経済・物価情勢の展望」について、2020年10月版の概要部分については、何回か読んでおく。
- 時間があれば、試しに穴埋め問題を作ってみる。
「金融システムレポート」に関しては、対策しても問題が出ないという可能性も否定できません。「経済・物価情勢の展望」については、出ないことはまずないと思いますが。どのような形式で、どの範囲が出題されるかは読めません。ですが概要部分を読んでおくことで、全体としてどういうことを述べたいのかだけでも把握していれば、答えに迷ったときに参考になると思います。
とまあいろいろ調べましたが、結論としては、
無理してここまで対策する必要はない
と思います。
読んでなくても、ある程度こたえられる問題が多い
と書きましたが、昨今は新型コロナウィルスの影響がまだ収まっていないので、経済や景気の状況はある程度は想像がつきます。
また、接続詞や前後の文脈を勘案すると、ある程度予想がつく場合もあります。
それらを駆使して、それでも間違えたら仕方がないくらいで気楽に構えるのがちょうどいいと思います。
そんなわけで、結局「やんなくていいじゃん」という結論になりましたが、試験前に時間調整で読む分にはちょうどいいと思いますので、あとは受験する方次第ですね。
では、また。