みなさんこんにちは、ひでえぬです。
今日は、「ヘッジ取引」についてお伝えしたいと思います。
「ヘッジ(hedge)」というのは、名詞では「生垣」「囲い」を意味し、そこから「囲いを作る」→「守る」となり、投資においては「損失を回避する」という意味で使われます。
資産運用においては、
現物の価格変動リスクを、先物取引などを利用して回避(ヘッジ)する取引のことをいいます。例えば、現物株を保有している投資家が、今後の株価下落が予想される状況で、現物株を売却せずに先物等を売り建てることで、現物株に発生する評価損を先物等の利益でカバーしようとする取引などが代表的です。このような取引方法を「売りヘッジ」といいます。また、いますぐに現物株を購入する資金はないが、近い将来資金を得ることができるような状況にある場合、買う前に株価が上昇してしまうリスクを回避する方法として、先物等を買い建てておく方法が考えられます。このような取引手法を「買いヘッジ」といいます。
(SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集より)
例えば、ひでえぬがHN社の株(1株10,000円)の株を10,000株買ったとします。これを売らずに、日経225mini先物を売り建てることで、リスクをヘッジする(つまり損失を回避する)にはどうしたらいいでしょうか。なお、HN社の株の日経mini225先物に対するベータは0.96とします。
ちなみに「売り建てる」とは、簡単に言うと、日経225mini先物の先物を一時的に借りてまず売り、下がるのを待って買い戻すことで、差額を利益とするものです。思惑通り下がってくれれば儲かりますが、逆に上がってしまうと高い値段で買い戻さなくてはいけないので、損失が出てしまいます。おまけに信用取引だと証拠金も値上がり分が目減りしますので、追加の証拠金(追証)が必要な場合もあります。
HN社の株のベータが0.96ですので、日経平均が株が10%下がると、10%×0.96=9.6%下落することになります。
よって
10,000円×10,000株×9.6%=9,600,000円損することとなります。
一方日経225miniの時価は25,000円です。これを売ってから10%下がったとすると、時価は25,000円×10%=2,500円下がったことになりますので、2,500円の儲けです。
これを使ってHN社の損失(960万円)を埋めるには、
9,600,000円/2,500円=3,840(ア)
この(ア)を「先物ヘッジ比率」といいます。
だた、日経225miniは日経平均株価の100倍が1取引単位となりますので、
3,840/100=38.4
よって39枚以上購入すると、損失をヘッジできることになります。
このような問題はCFP資格審査試験の問題でよく出ます。
いままで見てきたように、具体例を挙げて計算する方法もありますが、下の式によっても求められます。
ですので、この場合、先物ヘッジ比率=0.96×1億円/25,000
となり、答えはやはり3,840(倍)となります。
個人的には、式を覚えた方が早いと思いますが、忘れちゃったときのために、「○○%下がった場合」というケースを作って考えた方がいいかもしれません。
問題は、先物ヘッジ倍率を求めるのはそれほど難しくないかもしれませんが、上の例のように「日経225miniで」とか「ミニTOPIX先物で」とか商品が時々変わることです。時には「TOPIX先物とミニTOPIX先物を組み合わせて」とかいう場合もありますので、注意が必要です。
なので、取引単位をおさらいしておきましょう。
呼び値の単位についても、文章題で出たことがあるので、あわせて押さえておきましょう。
ちなみに、先ほどのHN社の株をTOPIX先物と、TOPIXミニ先物とでヘッジする場合、TOPIXを1500とし、HN社のTOPIXに対するベータを同じく0.96すると
先物ヘッジ比率=0.96×1億円/1500ポイント=64,000倍
となります。
TOPIX先物は1万倍、TOPIXミニ先物は1,000倍ですので、
TOPIX先物はを6枚、TOPIXミニ先物を4枚買えばリスクヘッジすることができます。
というわけで、久しぶりにFP試験対策をお送りしました。
ありがとうございました。