みなさんこんにちは、ひでえぬです。
令和2年ももうすぐ終わりますが、財務省のHPで、令和3年度の税制改正大綱及びその概要が公開されています。
今回は、前回に引き続き、こちらからお伝えしようと思います。
◯セルフメディケーション税制の見直し
セルフメディケーション税制とは、医療費控除の特例として、健康の維持増進及び疾病の予防への取組としてして一定の取り組みを行う個人が、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。(以上、厚生労働HPより)
対象となる条件は大きく分けて2つあります。
- 対象の医薬品(スイッチOTC医薬品)を年間12,000円以上購入すること。
- 「健康の維持増進及び疾病の予防への取組としてして一定の取り組み」を行う
- 上記について、領収書等証明する書類が揃っていること
このうち2がわかりにくいですが、厚生労働省HPに掲載されているフローチャートによると、
- インフルエンザ予防接種
- 市町村で行われているがん検診
- 会社で行われている定期健康診断
- 特定健康診査(いわゆる「メタボ検診」)
- 人間ドック など
を確定申告の対象となる年に受診していることが必要です。
対象となる品目は、こちらも厚生労働省HPに一覧表がありますが、思ったよりも多く、ドラッグストアによく置いてある、私が愛用している鎮痛剤とか、聞いたことのある湿布、鼻炎の薬、風邪薬などたくさんあって、対象にならない薬を探すほうが大変じゃないかというくらいです。
前置きが長くなりましたが、このセルフメディケーション税制について、適用期限を5年間延長することと、以下の改正を行うとのことです。
(改正内容その1)
- 療養の給付に要する費用の適正化の効果が低いと認められるものを除外する
- 療養の給付に要する費用の適正化の効果が著しく高いと認められるもの(3薬効程度)を対象に加える。
(以上、大綱より)
なんだか回りくどい言い方をしていますが、要は「薬の種類を見直す」ということですね。
(改正内容その2)
「健康の維持増進及び疾病の予防への取組としてして一定の取り組み」を行ったことの証明書類について、従来は確定申告書への添付を義務付けていましたが、これを不要とするとのことです。
ただし、「税務署長は、確定申告の期限後5年間、必要に応じて確認書類の提示または提出を求めることができる」とありますので、平たく言うと「提出の必要はないが、5年間取っておく(保存する)必要はある」ということになります。
ちなみに、この「セルフメディケーション税制」と「医療費控除」は現時点ではどちらか一方しか利用することができません。そこで、CFP資格審査試験では、計算問題として、両方の精度を比較して最大限利用した場合の控除額を求める問題が出ることがあります。
なお、厚生労働省からの要望では控除額の見直し(12,000円→0円)及び控除上限額の拡大(88,000円→100,000円)という項目がありましたが、大綱には記載されていないようです。これが財務省との折衝で削除されたのかも含めて、最終的にどうなるかが注目されます。