みなさんこんにちは、ひでえぬです。
今回はCFP資格審査試験の「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」で出題される、係数表を活用した資産運用の問題について考えてみたいと思います。
「6つの係数」については、FP3級から出題されているおなじみのものですが、CFP資格審査試験では、より複雑な問題が出されます。解き方に慣れていないと、本番で時間を使ってしまい、挙句答えがわからないということになるかもしれません。
そのためのヒントとして、
図に書いてみる
というのを実践していましたが、これを実際にやってみます。
著作権の関係で過去問を使うとあれなので、例題を考えつつやってみましょう。
段階を踏んで理解するため、超簡単な問題から出します。
(パターン1)
ひでえぬさんは、老後の生活設計について考えることにしました。
・2021年4月に定年退職し、退職金2100万円を受け取った。(ア)
・2021年から30年間で、年利2.0%で運用しながら、毎年一定の額を取り崩す。(イ)
このとき、毎年取り崩すことができる額はいくらか。
これを図に表すとこうなります。
※縦軸は金額、横軸は時間の経過を表します。
退職金など、一時金については長方形で表し、時間の経過で増減するものは台形または三角形で表しています。
この図から、
(ア)=(イ)
ということがわかると思います。
これくらいだったら図に表さなくてもわかるという噂もありますが、このあとだんだん複雑になるとこれが効果を発揮します。
式もすぐわかると思いますが、資本回収係数を利用して、
2100万円×0.045=945,000円
となりますね。
資本回収係数 | |||
1.0% | 1.5% | 2.0% | |
30年 | 0.039 | 0.042 | 0.045 |
これでは簡単すぎるので、もう2ひねりくらいしたものがCFP資格審査試験では出題されますが、とりあえず1ひねりだけしてみましょう。
そうそう、(ア)(イ)というのは通常問題文には書かれていませんが、より分かりやすくするために、この手の問題には読みながら記入することをお勧めします。
(パターン2)
ひでえぬさんは、老後の生活設計について考えることにしました。
・2021年4月に定年退職し、退職金2100万円を受け取った。(ア)
・2021年から30年間で、年利2.0%で運用しながら、毎年一定の額を取り崩す。(イ)
・定年退職から5年後の2026年に、リフォーム資金として650万円を取り崩す。(ウ)
このとき、毎年取り崩すことができる額はいくらか。
図に書いてみましょう。
条件を1つ増やしただけですが、結構複雑になりましたね。
ですがこういったように、「何年か後に定額を取り崩す」という設定はほぼ必ず出てきます。
(だいたいが家のリフォームで、たまに車の買い替えとかあります)
ここでは、
(ア)=(イ)+(ウ1)
となります。
(ウ)ではなく(ウ1)であるところが重要です。このあたりが図に書かないと、本番で間違えて(ウ1)ではなく(ウ)で計算してしまい、ミスするもととなります。ですから、図に書いて整理することが大事なんですね。
では解答ですが、求め方としては、
まず(イ)の総額を求める。
そのあと、「取り崩すことができる額」を求める。
となります。そこで、「(イ)の総額」をx、「取り崩すことができる額」をXとします。
上で書いたとおり、
(ア)=x+(ウ1)・・・①
となりますので、まず(ウ1)を求めます。
(ウ)は問題文にあるとおり650万円です。(ウ1)は5年後の650万円ですから、現価係数を用いて、
650万円×0.906=5,889,000円
よって、
①の式は
2100万=x+5,889,000 よってx=15,111,000円
Xはxに資本回収係数をかけて求めます。
15,111,000×0.045=679,995円
となります。
これでもCFP資格審査試験の問題としてはまだ簡単すぎですね。実際は2ひねり目があるんですが、ちょっと長くなったので今回はここまで。