めざせ行政書士&CFP(R)!放送大学生ひでえぬのブログ

CFP(R)からのFP1級を取得後、行政書士試験に挑戦中。ひでえぬのブログです。その時の勉強法などを載せてます。2021年4月から放送大学で心理学を勉強しています。

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FP試験対策⑨ ポートフォリオ その3 分散と標準偏差

みなさんこんにちは、ひでえぬです。

(この記事は2023.3.26に加筆修正しました。)

 

前回は期待収益率についてお伝えしました。

hide-n64.hatenablog.jp

 

今回は前回の例題をもとに、分散標準偏差について考えてみましょう。 

  

 

Q 以下の資産A及び資産Bを4対6で購入した場合の期待収益率、分散及び標準偏差を求めよ。なお数値は小数第3位を四捨五入して小数第2位まで求めよ。
 
        資産A 資産B
   発生確率 収益率 収益率
好況時  30%  15% 10%
通常時  45%    8%   6%
不況時  25% △10% △8%
 
(前回のおさらい)
期待収益率は、各シナリオ時(ここでは、好況時、通常時、不況時)の期待収益率をそれぞれ求め、それを資産Aと資産Bの購入比(4:6)で按分する方法をやってみましょう。
 
好況時:15%×0.4+10%×0.6=12%   ・・・ ア
通常時:8%×0.4+6%×0.6=6.8%    ・・・ イ
不況時:△10%×0.4+△8%×0.6=△8.8%  ・・・ ウ
 
よって期待収益率は、
12%×0.3+6.8%×0.45+△8.8%×0.25=4.46%
この「ア~ウの数字がこの後必要になります。」と前回書きましたが、どういうことかというと、
 
分散=(ある状況下の予想収益率-期待収益率)^2 ×起こる確率  をそれぞれ合計したものです。
 
期待収益率というのは獲得する収益の平均値なので、要は平均とどれくらい離れているかを数値化したものです。
 
2乗するのは数値がマイナスになったときに、2乗することでプラスになるため、純粋に「平均との距離」が合計できることが理由の1つです。だったら絶対値でいいじゃんと思って調べたのですが、イマイチよくわからなかったので、興味のある方は調べてみてください。
 
 この例題での分散は各シナリオ(好況時、通常時、不況時)の合計になります。
よって
 
(12-4.46)^2×0.3+(6.8-4.46)^2×0.45+(-8.8-4.46)^2×0.25=238.1548
 
ここまでくればもう簡単です。
 
標準偏差は分散の平方根で求められます。
 
    ={\sqrt{238.1548}}

    =15.4322649018・・・

    →15.43%

となります。 

 
この「標準偏差」ってなんなの?といいますと、一言でいうと「リスク」を表す指標の1つです。(一方で期待収益率は「リターン」を表します)
理論上、収益率は約68%(ざっくりいうと3分の2)の確率で
 
期待収益率±標準偏差
 
の範囲内で収まるとのことです。
つまり、今回の例だと、
好況時:12%±15.43% →△3.43~27.43%
通常時:6.8%±15.43% →△8.63~22.23%
不況時:△8.8%±15.43% →△24.23~6.63%
となります。
 
あくまでも理論上の話なので、この範囲に収まらない場合ももちろんありますが、このような形で予想がたてられるということですね。
 

ちなみに、正規分布曲線を描いて表すと、このようなイメージになります。
(CFP(R)資格審査試験なんかだと、こういう問題も出てきます。)
 
簡単に言うと標準偏差の倍の振れ幅があるということなので、今回の例の場合約30%も差が出ています。好況時でもマイナスになることもあるし、不況時にもプラスになることもあり得るということがわかります。
 
ちなみに、分散とか標準偏差とかいうとあまりなじみがないように聞こえますが、みなさんいわゆる「偏差値」というのは、平均が50、標準偏差を10とした正規分布曲線で表すことができます。
 

 

68%の人が偏差値40から偏差値60の範囲に入るということになります。
 
今回はここまで。 
次回をお楽しみに。